手放すって、ムズカシイ ! - ジンジャーの薫り・・・仏田舎手帖

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手放すって、ムズカシイ !

  • 2015.04.18
前回の記事を書いた自分は、まだ甘ちゃんでした。
お日様のもとで日向ぼっこをしながら、過去の思い出に浸っていられたのは、まだ本当は現実を見ていない者にだけ与えられるのどかな幸せなのでした。あれは夢の時間でした。

現在のアパルトマンに戻ってきて、地下の物置を開けたとたん、めまいが・・・

ここにもまだ、こんなに物が!

どこに置けばいいの~。あんな整理では、整理をした気分になっているだけのオママゴトでした。まだまだ減らさなければなりません。

思い出の品や日本の物は言うに及ばず、
失業したら物を買えなくなるから必要になるかもしれないしとか、
微々たる年金で孫に買ってやれなくなるかもしれないから取っておこうとか、
あれやこれや頭によぎって、手放せなくなってしまいます。

あぁ、

大掃除で処分する、ということは、もっともっと身をそぎ落とすということ、
つまりは、死を通過する 、ということなのだと、
ダンボールに埋もれながら悲壮感をひしひしと感じております。

それで4年前にも同じ気持ちを味わったのを思い出しました。
引越しの後に書いた記事、アップしなかったのですが、読み返してみたら、私全然変わっておりません。
人間とはなんと成長しないものでありましょうか。
情けないほどに、同じであります。
ここにご披露させていただきます。
今回もあの時と変わらず、わが家で一番スッキリさわやかインテリアマンのトトに助けられています。



『往生際』

以前何かで読んで以来、斉藤一人さんという方の、印象に残っている言葉があります。
「鏡を見るとね、たいがい自分の顔が映るんだ。この人が、あなたの神様です。自分のために、こんなにがんばってくれる人って、いないんだよ。」

朝、鏡を見る時よくその言葉を思うのですが、先月は、引越し疲れもピークに達していた私、鏡を見ると・・・・・
そこには・・・・・・

幽霊が。。。

いや、そうではなく、洗濯機の脱水にかけられたかのように力のなくなった、目の下にどす黒いクマを2頭従えた自分の顔が映っているのでした。
・・・確かにもう相当がんばってるみたいなんだけど・・・
神様というより、亡霊みたいだなー、と思って
鏡を見るのも恐怖だったのですが、
今月に入り、春の兆しとともに気分も体力も復活してきました。


それにしても私は、相当往生際が悪いだろうな、と今回実感しました。
やっぱり捨てられないのです。
「引越しの良いところは、化石たちを処分できること」なんてこの間の記事に書いた気がしますが、捨てられない化石もいっぱいあるのです。
友人が贈ってくれた食べ物の空き箱、日本のおみやげ、日本酒の空きビン、日本の本、手紙、大切な人たちからのメモの切れ端、母が送ってくれたものはすべて、子供たちの拾ってきた貝殻、石ころ。。。
ダンボール箱が何十個になっても、捨てられない。
墓場には持っていけない、とわかっていながら、やっぱり捨てられない。今からこんなじゃ、こりゃ相当往生際 が悪いかも、私。と思いました。

しかし、ダンボールを詰めながら、ハタと気がつきました。
これって、荷物が多すぎて、老人ホームにも持ってけないんじゃない??」


その様子を見ていた息子のトト、ママのコーチと自称して側から口を出します。
「ママ、そんなもの、捨てちゃいなよ」とあっけなく言うトトに私は切々と説明しました。

「だってさ、年取ってね、あなたたちも離れていって、パパだっているかどうかわからなくて、ひとりぼっちになっちゃったら、こういうものを見て、心を慰めるの。 『あぁ、私にはこんなにいい友達がいたんだ・・・。あぁこんなにおいしいものを食べたこともあったんだ・・・。あぁ、あなたたちと楽しい時間を過ごしたこともあったんだ』・・・って。寂しい老後は思い出に頼って過ごすわけよ。だからね、捨てられないのよ。」

「あのね、ママ」とトトは、私の切なる思いを聞きながらも、相変わらずあっけなく言いました。

その頃にはママはアルツハイマーで、その物が何なのかも思い出せなくなってるよ。
だから、取っておいても無駄だよ。」

ハッ
その通りかも。。。

それから、大事にダンボールに入れようとしていた絵柄の入ったロウソクを手に取った彼に、私は言いました。
「それは、あなたが小学校一年のときに・・・」
「覚えてるよ。学校祭のために僕らが作って、縁日でママが買ったんだ。でも、これ、作ったのはアラン(担任の先生)で、僕はシールを貼っただけ。はっきり言って、これに僕の思いは入ってないよ。こんなもの、取っておいても埃をかぶるだけだよ。」
そういうなり、埃だらけのロウソクはごみ袋へ・・・。

そ、そうだったのか・・・あの短気オヤジの担任のアランが作ったものを、私が後生大事に取っておいていたとは。

息子よ、母に真実を見せてくれて、目を覚まさせてくれて、ありがとう 
これでほんの少しだけ、老人ホームへの荷物が軽くなるかも・・・・

(2011年3月5日)

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