国立新美術館の書道展です - ジンジャーの薫り・・・仏田舎手帖

国立新美術館の書道展です

  • 2012.11.26
東京、乃木坂にある国立新美術館で、公募による全書芸展が開かれます。

私の書いた作品も入選して、飾っていただけることになりました。
書いても、書いても、納得できる作品なんて出来ない。それでも、母に観に行ってもらうことが、遠く離れた私にできるせめてもの親孝行。。。という思いを込めて書きましたので、その思いを届けることができるのが何よりありがたいことです。

毎日が忙しく超特急で過ぎていく中、納得が出来るまで書ける時間というものはなく、限られた時間を切り取るようにして書きます。以前の私だったら、納得が出来ない作品を提出するなどということは恥ずかしくて耐えられないことだったのですが、これも年のせいというのでしょうか、ここになって変わってきました。
有り余る時間など現在の自分にあるはずもなく、逆に、制約のある中で最大限の力を注いで書く。かろうじて切り取った時間のフレームの中で、自分を投じる。
その結果が良いものであればそれでよし、努力が足りなければ仕方なし。
細く長く自分に出来るペースで続けていくことが許されれば、ありがたい、という気持ちになりました。
書ける時間がある時、体調が良いとも限らない。それでも、その「瞬間」に注げるものを、全部注ぐ・・・そんなレッスンだと思っています。

書は魂のうねりです。
展覧会では沢山の作品が素晴らしいエネルギーを放っていることでしょう。
私も観に行きたいですが、叶わないのが残念です。
書に興味のない方も、ある方も、お時間を縫って是非足を運んでみて下さい。


第41回 全書芸展
会期は 12月12日(水)午後1時 ~ 24日(月)午後2時 
〔18日(水)は休館日〕
入場時間は10時~18時 (入場は17時半まで)
住所: 東京都港区六本木7丁目22−2 アクセスマップ
電話:03-5777-8600


去年の震災を蒸し返すことになりますが、あの時、多くの日本人、海外在住の日本人が実感したように、私も自分が破片となって壊れたような感覚を覚えました。
そして時間をかけて、また修復し、心身を立て直したのですが、やはり壊れる前と壊れた後では何かが違っているんだろうと思います。
自分の何が違っているのか、自覚してハッキリとコレと言えるものは何かわからないのですが、痛みから抜け出し、何事もなかったように構築し直したつもりでも、「私はもう前と同じではない」という感覚が残りました。

そして、揺れ動いた心の隙間から、粉々になった破片の下から、自分の根源的な所から浮かび上がってきたもの、それが書道でした。

おそらく、書道は私にとって、日本と私を繋ぐ「へその緒」なのだと思います。
あの危機感の中で、日本を求め、深い繋がりを求めた時、自分のへその緒の先は書道にあると、ほぼ本能的に感じたのです。

もう一度、きちんとやろう。
それは、迷いも揺れもない、スックとした思いでした。

高校時代からの恩師が、前と変わらず、私を引っ張り、支えて下さることに、深いご縁と感謝を感じながら続けています。
苦しい時、書けない時、調子に乗っている時、素晴らしい恩師の言葉を、いつも胸に刻んでいます。言葉の一つ一つが愛と真実に満ちていて、痛いほど心のひだに突き刺さります。
私の一生の銘です。

芸は一生涯続く、そして、死を持って、自分の芸は完結する。書もまた然りと考えます。
あなたも、あせらず、怠らず、奢らず、そして書への愛を常に抱きながら、進んで行って下さい。


作品を作るということは、命を燃やすこと。燃えた命は、更に力を得て、また、燃えます。その繰り返しです。



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