仰天したイギリスホームステイ - ジンジャーの薫り・・・仏田舎手帖

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仰天したイギリスホームステイ

  • 2012.03.28
ただいま、トトはミュンヘンへ行っております。
ドイツ語の授業の一環で行われる、10日間のホームステイ中です。
ステイ先は去年うちに来てくれた≪かぐや姫≫の家ですから、なんの心配もなく出しました。

朝早くにバスに乗り、夜9時ごろに着いたトトから旅の無事を知らせる電話がありました。
私は念押しで尋ねました。
ミセス・ケインとは違うわね? 」
トトは少し笑って、
「違う、違う」
と答えました。

このミセス・ケインとは、忘れもしない、一年前に衝撃的なステイ体験をさせてくれた滞在先の家の女性です。
トトが生まれて初のて、親元を離れ、14歳の誕生日の日に到着し、一週間のホームステイ経験をした、イギリス、オックスフォードにあるホスト宅です。
イギリスでホームステイ】←まだ書いていなかったこの続きの話を、約一年経ってだいぶ気持ちも収まってきたことですし、落ち着いて書いてみましょうか。(思い出すとまた興奮してくるかもしれません。笑)

オックスフォード滞在も、学校主催によるものですから、受け入れ先がどういう家族なのかまったくわかっていなくとも、出発5分前に住所と電話番号を渡されただけでも、なんの心配もしていませんでした。
着くまでは

強行軍スケジュールで出発した翌日の夜遅くに「無事着いたよ」の連絡がありました。
一応トトには携帯電話を渡してあったのですが、通話料金が高いので、連絡方法はミセス・ケインの自宅電話に私たちから折り返し電話をする、ということにしてありました。こちらの自宅電話から相手の自宅電話へなら無料なので。

ところが疲れきっていて話す元気のなさそうな声でトトは、
「電話は故障していて使えないんだって。明日買ってくる、って言ってるよ。」とのこと。
ふーん?・・・・・
なにかヘンな感じがその時したのでした。

「どんな感じのファミリー?」と聞くと
「ファミリーじゃなくて、若い黒人女性ひとりだったよ。」
「あら、そうだったの」

「ファミリー・ケイン」という名前を渡されていたので、一人暮らしの女性だったということがちょっと意外でした。「ホームステイ」「ファミリー」という言葉からイメージしていた初のステイは、こんな風に、少しイメージとは違った感じで始まったのでした。

「疲れてるでしょ。今晩は何をご馳走になったの?」
「冷凍ピザ一枚・・・」
ふーん?・・・・まぁイギリスってそんなものかな?

「部屋はどんな感じ?」
「うーん・・・」言葉を濁し「夜だから暗いし・・・・なんともいえない・・・」
なんだかハッキリしない返答でしたが、後でわかったのは、本人たちもあまりに面食らっていて何と判断してよいのか当惑していたのでした。
実際は、後で写真で見せてくれましたが、部屋はカビだらけで真っ黒、2段ベッドがやっと入っている大きさで、蜘蛛の巣があちこちはってあり、ベッドの二階で寝たトトの顔の真横にも蜘蛛の巣が。。。
そこに子供たちを押し込んだら、あとは自分は一日中寝巻き姿でサロンでテレビを見ているそう。夕方トトたちが戻ってきてもまだ寝巻き姿でいるそうです。
食事も、子供たちと一緒には取らず、自分だけ別の時間に食べていたようですが、彼女が食べるところを見たことがないので、何を食べていたかはわからず仕舞いです。

どの家にも2~4人で泊まっていましたが、トトは仲良しの友だちと2人で彼女の家にお世話になっていました。
本当に、友だちと一緒で幸いでした。お互いに励ましあえて!!!

翌日から出発の日まで、朝と夜はミセス・ケインの家で食べ、お昼は彼女がお弁当を持たせてくれることになっていました。

ところが、翌夜、またトトから電話がありました。
「電話はまだ故障してるって。明日こそ買いに行く、って言うんだ。」
「なんか、ヘンね。」と私は言いました。「ひょっとして、買う気なんてないんじゃないの? わざと電話をはずしてるんじゃない?」
「そうかもしれないけど・・・」とトトは自信なさそうに言いました。
「それより、お腹ベコペコでどうにかなりそう。」

朝は水1杯と食パン1枚、ウインナー1個。昼に持たせてくれたサンドイッチは食パン2枚を合わせたものに、何もはさんでなかった。他には何もなし。飲み物はミセス・ケインが自分で飲んだコカコーラの空ペットボトルに水を入れ直してくれたもの。
他の友達がハムやレタスをはさんだ「普通の」サンドイッチを持ってきたので、トトのところだけおかしいと気づいたそう。
夜は「塩スパゲティ」。
「塩スパゲティ、って何??」と尋ねると
「具がないスパゲティで、塩っからくて食べられなかった。お腹がペコペコで食べたくて仕方なかったけど、あまりに塩っからくて、どうしても食べきることが出来なかった。」
と言います。
「残してしまってごめんなさい、と言うと、彼女が『あぁ、おなかが一杯なのね』と言うから『イエス』と答えたよ。。。」

「なんで『ちょっと塩気が強すぎました』って言わないのっ?」と思わず受話器を握り締めると
「だって、せっかく作ってくれたのに、悪いから・・・」

そんなやる気のないスパゲティ、「せっかく作ってくれた」うちに入るかーっ!
あんまりだー!
もー、もー、お前たち、人がよいにも程があるーっ!

と私は怒りました。
同室の友だちもトトに輪をかけたようにおとなしくて内気な子です。
2人揃って、礼儀正しくて、おとなしくて、こういうときは歯がゆいくらいで、受話器片手に胸元をかきむしりたい私。

「だってね、テレビドラマ見て泣いてるんだよ。センシティブな人なのかと思って・・・傷つけたらかわいそうだし。」
などと言っています。

そして、先生に私たちから交渉するというと、しないでくれ、と言います。
「先生も英語がよくわかるわけじゃなくて苦労してるし(付き添いの先生は英語の先生のほかに数学と工学の先生でした)、それに、僕たちよりもっとひどい状況の子もいるから。」
と言います。

あなたたちよりもっとひどい、ってどんなよ
思わず首をかしげてしまうと「ジェイのところなんかは一晩中ビールを飲んで大騒ぎしているすごいモヒカンヘアーの家族のところにいて、夜も眠れない音だそうだし、フィルは朝誰も起きてなくて朝食抜きだし、アランのところはシャワー禁止。
それに比べれば、僕たちはまだほうっておいてくれるだけありがたいよ。シャワーも浴びれるし、朝食もとりあえず出るし、夜は静かだし。トイレも壊れてて2回に1回しか流れないけど用を足せるし。」
と、なかなか冷静な状況判断です。

「それに、先生は文句を言いっぱなしの生徒の対応にうんざりしていて、何も言わない僕らのことを気にかけて毎日サンドイッチを分けてくれたり、果物をくれたりして、良くしてくれてるんだ。先生は親切なんだよ。だからママが文句を言ったところで今さらホストを変えられるわけでもないし、先生を困らせてしまうだけだから言わないで。」

トトの気持ちを尊重して私もグッと堪えた訳なのですが、その後も同じ状況が続きました。
先生もトト2人組には「もっと欲しいものをどんどん自分からリクエストするように」とアドバイスをしたようです。
しかし、人様の家であれを下さい、これを下さい、とリクエストするようには躾けていないもので、かなり思い切りが必要だったようですが(私だって同じ状況にいたら言えなかったと思います。)、最終日の前日に意を決して、帰宅した勢いで「すみません、喉が渇いたのでフルーツジュースをいただけますか?」とリクエストしてみたところ、フルーツジュースは出てこなかったけれど、水の中にシロップを数滴たらしたものをくれたそうで、「やったー!!!!!」と勝利の喜びをあげていました(笑)。

数滴であれ、大切なのは本人たちが自分で解決した喜びですから、私も「よくやった」とほめてあげました 
そしてその夜は「初めて、信じられないくらいの晩ご飯が出た!」
ソテーしたポテトが7個も、そして、ソーセージが2本も出たそうで
「グッド、グッド、ベリーグッド、こんなおいしい料理で嬉しい、今晩の食事は大好きです!!」と彼女を鼓舞して翌日もこの調子をキープしてもらおうと思ったようですが、これきりとなってしまったようです(笑)。

後になって、イギリスのホームステイはこういうことが多いと、あちこちで耳にしてわかりました。
料金はこちらはホテル並みの料金を払っているのですが、受け入れ先は善意で子供を受け入れるホームステイと違って、「商売」でやっているので、できるだけ支出を押さえ、最低限の出費で滞在をしのぎ、残りを生活の糧として暮らしている人がこういう受け入れを行っていることが多いようです。
イギリスに限らず、アメリカでもフランスでもそういえば聞いたことがあります。

帰って来た先生方に青くなって問い合わせると、「イギリスはこういう感じなんですよ。私の息子が行ったときもベッドがなくて、床に寝かされてました。まぁ一週間ですし、飢え死にしたわけじゃないですし。」という、ゆる~い反応。

「これで親のありがたさがわかったろう。ママの手料理のありがたさも、家の居心地のよさも、よーくわかって、かえって良かったじゃないか。いい経験だ!」という夫も、あまりフェアではないやり方には一言言わねばと、学校ではなく、ホームステイをオーガナイズした会社Cap Mondeに、今後も生徒が同じような目に遭わないよう、ホスト先をよく選んでチェックしてくれるようメールを送ったのですが、「そのような情報は当方には入ってきておりません。基準を満たしているホストを選んでいます。」の一点張りの返事でした。

私としては一週間どうなることかとロクロク眠れず、同室の友だちのママと毎晩悶々と電話で語り合って過ごしましたが、結局のところこんな反応ばかりで拍子抜け。
「拉致されたわけじゃないし、暴力ふるわれたわけじゃないし、先生や仲間に食べ物を分けてもらって友の絆を強くしたようだし、この物騒なご時勢に無事に帰ってきてくれて何より、まぁいいか。」
ということに落ち着きました。

それでも、大人相手ならまだしも、経験のない、おとなしい子供相手に利益を貪るというやり方がどうにも腹立たしいものです。

「いいか、礼儀正しくする、っていうのは相手が礼儀正しいときにはそうしなければならないが、そうじゃないときは野生になれ! 」
と、夫が後で指導していました(笑)。

しかしロンドン見学や美術館などの毎日は楽しかったようで、イギリス嫌いにはならずに戻ってきました。

1つだけ悔いがあるとしたら、おみやげ。
トトには同室の友だちのママと一緒に半日近くも店を回って迷ったあげく、「ファミリー」をイメージして夫妻のどちらにも使っていただけるように、LACOSTEのタオルと香水せっけんを組み合わせで選んで持たせたのですが、それを着いた当夜渡してしまったのがどうにも悔しい。ちゃんと気持ちに応じてくれる価値のある相手に渡すべきでした。
来年はナナが行く番ですがその時はホスト宅へのおみやげは、缶詰のパテなどにしようかと思っています。
それも、最初にあげるのではなく、最後の日に、よくしてもらったらあげてもらいます!そうじゃなかったら、滞在中自分たちで食べなさい、と言うつもりで。

・・・と、親も子も学んだ、こんな初ステイ体験だったのでした。



☆おまけ


今回かぐやちゃんに持って行ったおみやげの1つ、マカロン。
ドイツには、フランスにあるような可愛らしいプチ菓子がない、と言っていたので、トトが決めたおみやげ。
風味を損なわずに食べるには3日以内、という賞味期限ですので、丸一日の片道ですでに残り2日、ちょっと急いで食べてもらわないとならないおみやげになってしまいましたけど。

去年のイギリスと違って、着いたという連絡以来音沙汰がありませんが、問題なく過ごしているという証拠でしょうね。
何より、何より。

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