初めてのうなぎ - ジンジャーの薫り・・・仏田舎手帖

初めてのうなぎ

  • 2012.02.24
魚屋さんで珍しくウナギを見かけました。

実は、ウナギを直で見るのは初めてです。
日本では蒲焼かうな重の姿でしか見たことがなかった気がします。水槽のなかにいるのを見たことがあるかもしれませんが、自分で調理したことなど一度もありません。

それでもこちらに来てから食べたくなって、以前住んでいたところの魚屋さんに「ウナギは入荷しませんか?」と聞くと、
「入れてもいいけど、お客さん自分で殺して。アタシは絶対やらないから。」
と言われ怖気づいて以来、すっかりあきらめていました。

嬉しくなって四匹ぐらいいたうち、一匹試しに買ってみました。

Bar(スズキ)も買って、内臓などを取ってきれいに洗ってもらうので、ウナギも二枚におろしてもらえるかどうかお兄さんにそろそろと尋ねると、いいですよという返事。
これで今夜はうな丼~♪とウキウキしておまかせして、その間に他の買い物をすませ戻ってくると、お兄さんは魚の入った袋をすまなさそうに私に渡しながら言いました。
「すみません、ウナギの方は上手くおろせなかったんです。ですのでそのまま一匹入れておきました。」
ちょっと予定外の展開でしたが大したことはありません。
「まぁそうなんですか、ムリを言ってすみません。大丈夫です。」と私は袋を受け取りながら、にこやかに答えました。他の魚と同じ要領で自分でウチでやってみればいいのだから、と思いながら。
「細いから難しかったんですね?」

すると
「いえ、そうではなく・・・」
とお兄さんの思いもかけない返答が戻ってきました。

まだ生きてるので、動いて なかなかさばけなかったんです。」


・・・・え・・・・・・

袋を受け取ったまま、私は絶句しました。

「生きてる、って・・・・・じゃぁ私はどうやればいいんですか

「そ、それは・・・」とお兄さんは一瞬ひるんだ後、苦し紛れに言いました。

「包丁で頭をガツンと殴ればいいんですよ!」


ひぇ~~

いやじゃ、イヤじゃ~、そんなのイヤじゃ~
なんでそう言うならお兄さん殴ってくれなかったの~
そういえば、鰻屋さんではウナギの頭を釘で打ち込んで、動かないようにしてさばくと以前聞いたことを思い出しました。
魚屋さんのお兄ちゃんが出来ないのに、なんで客が出来るの~~

帰り道々、どうしようか考えながら答えが出ないまま家に着いてしまいました。
そしてキッチンに入るとひらめきました。
そのまま冷凍庫へ。
これで大丈夫!

翌日、洗うのも開くのも作業は楽でした。
タレも作らず、そのままオーブンで焼いていただきました。
バターのようにとろ~りとして、おいしいこと!
ウナギってそのままでとろけそうにやわらかいのですね。
てっきり、蒲焼にする鰻屋さんにしか出来ない特殊な焼き方であのような感触になっているのかと思い込んでいましたが、そうではないことをこの年で初めて知りました。

魚屋さんとのやり取りを知っているナナが「ママ、どうやったの?」と聞いてきました。
「冷凍庫に入れたのよ!」と答えると
「えーっ、ママ、それだったら頭を殴ったほうが良かったわよ。」と言うのです。
「生きているのにジワジワ冷凍するなんて、かわいそうよ。一発で気を失った方が苦しまないで済むもの。」
なるほどそう言われればそうなんですが、生きたウナギをさばくなんて、到底そんな気力はなかったんだもの。。。
ウナギはカニやオマールと同じように、生きたまま調理しないといけないのですね?

ちなみにウナギの値段は、1キロあたり32,90ユーロ(3,500円ぐらい)、私の買った一匹は190gで6,25ユーロ(675円ぐらい)でした。


鰻と言えば、昔、銀座の狭い路地にある「ひら井」というお店で「うなとろ丼」を友だちと食べるのが楽しみでした。ウナギの蒲焼の上にこれでもかこれでもか、と言わんばかり、とろろと生卵が載っている疲労回復丼です。よく通って日本酒を一杯飲みながら、いつまでも話をしていたなぁ。あぁいう古くてオヤジくさいお店が当時はとっても好きだったんでした。

でもウナギのことを何にも知らないで舌鼓を打っていたんだなぁ、と今回初めて気がつきました。




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