あっという間のフレンチレモンマフィン - ジンジャーの薫り・・・仏田舎手帖

あっという間のフレンチレモンマフィン

  • 2010.09.30
子供の頃のことでした。
母に連れられて幼い私はよく東北の田舎道をてくてくと歩きました。うっそうとした森を抜け、林を通り、小川を超え・・・
バス停に行ったのか、電車の駅だったのか、記憶にないのですが、そこに行くまでの野道は長かったように覚えています。ほとんど人とすれ違うことのないその光の少ない場所を定期的に歩いていくということは、母がかなりの意欲を持っていることを子供心にも感じていました。その道のりをイヤだとも嬉しいとも思わず、私はただおとなしく母に従ってついて行くのでした。

景色は一転して、気がつくとチンチン電車の通る賑やかな都会に来ていました。
光と音と交通と人で活気づいたその街の、とある建物の2階に、母は上っていきました。
私は、母と一緒に2階の大きな部屋に入ると、一角にちょこんと座って、母の用が終わるのを待っていました。私が何をして時間を過ごしていたのか、これもまったく記憶にありませんが、退屈していたとも面白かったとも覚えていません。記憶にあるのは泡だて器がボールに当たる音、母と同じような数人の女性たち、そして部屋一杯に広がる甘いお菓子の匂いでした。

そう、そこは洋菓子教室だったのです。
東京生まれの母は、忘れえぬ東京會舘の洋菓子の再現を夢見て、強固な意志を持ってそこに通っていたように思います。

そのおかげで、母はよく、大きくふくらんでパリッと焼けたシュークリーム、やわらかなマドレーヌをおやつに作ってくれました。誕生日には、招待した友だちみんなが十分に味わえるくらい大きな2段のデコレーションケーキも作ってくれました。食紅でうっすらと桃色に色づいたそのケーキは、おとぎ話の中から出てきたように夢いっぱいでありながら完璧なくらい几帳面に作られていて、母の性格をよく表していました。私にとってそれ以上のケーキをまだ食べたことがありません。

しかーし!
門前の小僧、習わぬ経を読む・・・ということわざは私には通用しませんでした
お菓子作りにはまったく興味がないまま成長し、大人になった私はある日、突然恋のいたずらか、ケーキを作ってみることにしたのです。
出来上がったそのものの、世にもまずいこと!! 
その恋が成就しなかったのは、言うまでもありません。
仰天しおののく私に、母は思い出したように言いました。
「あのね、お菓子って、正確に量らないといけないのよ。」

・・・・・正確に量る

という言葉は当時の私の辞書には載っていませんでした。
おかずと同じように、分量は適当に入れて作っていたんですね。
分量を量って入れよ、なんて、私には相対性理論を説明しろ、と言われたも等しいことでした。
「私には菓子作りは向いてない」
と、あっさりと人生のリストからはずしてしまいました。

ところがフランスに来てみると、知り合った人は自宅に招待して手料理でおもてなしするのが一般的なのでした。
呼ばれて行くと、前菜から始まって、デザートまで、みんなよく作ること。
まさか、あなたも?!ウソでしょう?!っていう人まで、ちょっとしたデザートは作れるんですね。
夫ですら、チョコレートムースが作れる。
それでもらったレシピを見ながら渋々トライしてみたら・・・・・・
あら、不思議。
私でもお菓子が作れるではありませんか それは意外で嬉しい驚きでした。

その時に、フランス語のレシピで作れたインパクトが大きかったせいか、以来洋菓子を作るときはフランス語のものでしか作ったことがありません(笑)。
こちらのレシピでなら私でも作れるんだ、と心のどこかで思ってしまったんでしょうね。

そうして、お菓子作りがなんとかかんとか私の人生リストに加わることになりました。
といっても、もっぱら子供のおやつと、おもてなしのために、必要に迫られて作るものばかりです。


      
時間がないけれど、ネットで新しいレシピを検索したい時、作ってみた人の評価が載っているレシピを選ぶことにしています。
フランスのレシピサイトは、レストランと同じように星で評価されたものが多く、素早く選びたいときにとっても便利です。評価するのは専門家ではなく一般ネットユーザーですが、これがお世辞がなくて痛快。投稿されたコメントは率直かつ辛口だったりするので、迂回する必要なし。「トレボン(おいしい)」と書いてあったら、素直に信じられます。
さらに「私はこうした、あぁしてみた」という改良案も遠慮なく書いてあって、参考になるのです。

キィを叩いて、星の数と投稿数が多いものをひと目で選んだら、投稿されたコメントにザザザーッと目を通し、「ハィ、じゃコレで!」とパッと決めます。この間、2-3分。

星の数が多いものが、必ずしも口に合うとは限りませんが、「あぁこういう味がフランス人は好きなのか~」とか「どうしてこれが星が多いのかな?」などと、作った後で考えてみるのもなかなか面白いものです。

さてこれは、子供のおやつに作ってみた、5ツ星レシピです。
日本の柔らかなマフィンのレシピをいただいてとても美味しかったので(日本語レシピで初めて美味しく出来て自信がつきました ありがとう♪)、比べてみるために検索してみたのです。

どうして5つついたのか、私の感想ですが、おそらく
共働きで忙しいフランス女性ですが仕事で帰宅した後でも手早く作れる、それでいて材料の味が出ていて、きちんとお菓子の味がする。
からかな~と思いました。日本人はふわふわなものが好きですが、フランス人はこういう、しっかりした味のものが好きなのでしょうね。
子供たちも美味しいと言っていました。


なにしろですね、この私が作れるんですから、ものすごく大雑把で手早いところが気に入っています。


レモンマフィン (フランス語のサイトはこちらです)

材料 (12個分)

小麦粉 150g
砂糖 120g
バター120g
ベーキングパウダー1/2袋(6gぐらい)
有機栽培のレモン1個
卵 3個
アーモンドの薄切り 20g
塩ひとつまみ



作り方

1) オーブンを予め180℃に温めておく。バターは湯煎にかけるか電子レンジで溶かしておく。
2) レモンの皮をすりおろし、レモンは二つに切って汁を絞る。
3) 小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーを混ぜ、卵を1個ずつ加えてから、溶かしたバター、レモンの皮と汁も加える。バターの塩分が少なければ塩をひとつまみ加える。
4) 型の2/3まで流し込み、アーモンドを載せる。オーブンで20分ほど焼く。



muffinc.jpg

↑夜作ったので、キッチンの灯りがなんだか暗いですね。

(娘が苦手なので私はアーモンドは使いませんでした)
おいしく出来ましたか?

作り方はこんなに短いのに、前置きが長くなってごめんなさい!!(笑)



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